研究開発
りんご園におけるラットトラップによる野ネズミ駆除の試験例
りんご園における野ネズミの駆除事例を報告いたします。
冬季(積雪〜根雪の期間)は野ネズミのエサがないため、代わりにりんご樹の樹皮や根を齧る食害が多数見られます。
幼木や若木は特に被害が大きい傾向があります。
春になり雪解けの時期には、一見問題なく見えるりんご樹も根が齧られているため容易に抜けてしまうケースが見られます。
被害の例です。
野ネズミに根を齧られたりんご樹の若木です。根が無くなってしまったため、地面から抜けてしまいました。
被害の例です。
雪解け後に現れた野ネズミの通路(トンネル状)です。根雪の下で野ネズミがエサを求めて移動したことがわかります
今回使用するラットトラップです。
ラットトラップ本体、エサ皿、設置用ピン、農薬(粉末ラテミン 150 g、混合用特殊エサ 600 g)のセットです。
農薬と混合用特殊エサを混合させて毒エサとして使用します。
積雪・根雪になる前に、野ネズミの穴が多い場所や被害が大きい場所に毒エサを配置します
その上にラットトラップをかぶせて、設置用ピンで固定します
雪解け後の確認結果です。
毒エサは完全に無くなり、野ネズミの糞と土が溜まっています。
死んだ野ネズミが残っていた例です。
このように野ネズミの死骸が出てくることもありますが、大部分の野ネズミは巣穴の中で死にます。
死骸が出てこなくても、毒エサを食べていれば駆除は成功です。
春になり、野ネズミがいないと思われるきれいな園地となりました。
野ネズミの穴や通路はなく、またりんご樹の樹皮や根に対する食害も認められませんでした。
生き残りの野ネズミがいると思われる場合は、毒エサを追加配置します。
約1ヶ月ごとに喫食を確認し、毒エサが減らなくなったら駆除は完了です。